(AIにより生成したイメージ画像を使用しています。)
英語とフランス語の読書が大好き、ヒデです。
「フランス語を始めてみたい」
そう思ったとき、多くの方は参考書や文法書を手に取るでしょう。
でも、僕は違うことをおすすめします。
まずは、美しいフランス語を耳で味わってください。
今回紹介するのは、僕が心からおすすめしたいフランス語音源、
Audible版『Le Petit Prince: Édition anniversaire』
です。
もし、僕が、改めて、人生で最初に聴くフランス語音源を一つだけ選ぶことができるなら、僕は迷わずこの作品を選びます。
(フランス語学習にはAudibleをリスニング素材にするのが圧倒的におすすめです。)
フランス語という「音楽」を楽しもう
言語というものは、
- イメージがあり、
- そこへ音が付き、
- 最後に文字が付く
という順番で成立しています。
だから外国語を好きになる第一歩は、「音を好きになること」です。
そしてフランス語は、その音が圧倒的に美しい。
柔らかく流れるようなリズム。
鼻母音が生み出す独特の響き。
まるで会話そのものが音楽のように感じられます。
僕は英語も大好きですが、「音の美しさ」という点で、フランス語は別格だと思っています。
もちろん、フランス語は文字の美しさも格別です。
綴りそのものが芸術作品のようですが、その魅力については別の記事でじっくり紹介したいと思います。
まずは耳から。
ぜひフランス語という言語の美しさを体験してください。
Audible版『星の王子さま』基本情報
この記事で紹介するフランス語『星の王子さま』の音源の基本情報は次の通りです。
- 価格:1,020円(Audible会員価格・2026年7月16日時点)
- 再生時間:約1時間58分
- 言語:フランス語
- 形式:4名の声優によるオーディオドラマ
- 特徴:BGM付き、一部本文省略あり
約2時間という長さも初心者には手ごろです。
休日に一気に聴くこともできますし、毎日20〜30分ずつ楽しむこともできます。
一般的なAudibleとは少し違うので注意
この作品は、通常のAudibleとは少し性格が異なります。
一般的なAudibleは、
- 章番号を読み上げる
- 本文を一字一句そのまま朗読する
- 一人の声優が朗読する
というスタイルです。
ところが、この作品はオーディオドラマとして制作されています。
つまり、「朗読」ではなく「ドラマ」に近い作品です。
章構成が一致しない
原作『星の王子さま』は、献辞と全27章という構成ですが、
この音源ではChapitre 20までになっています。
さらに、
音源のChapitre 3が、
実際には本文第4章から始まるなど、
章番号は一致しません。
ただし、
実際に章が切り替わる場面ではBGMが入り、
非常に自然に区切られているので混乱はほとんどありません。
一部文章が省略されている
オーディオドラマとしてテンポ良く仕上げるため、
本文が一部省略されています。
フランス語の場合、発話者を特定するため、会話文の途中に発話者に関する説明が挿入されることがあります。
日本語でいうところのカギカッコ内に地の文が挿入されるイメージです。
これは、英語にもない特徴で、僕も最初、少し戸惑いました。
例えば、テキストの第3章(王子が主人公の飛行機を見て、主人公が空から落ちてきたことを笑う場面です。)を見てください。
« Comment ! tu est tombé du ciel !
–Oui, fis-je modestement.
–Ah ! ça c’est drôle… »
黄色くハイライトした部分は、日本語で「私は控えめに言った」と訳される部分ですが、オーディオブックでは省略されており、声優の雰囲気で「modestement」が再現されています。
同じくテキスト第3章の、今度は末尾を見てください。
–Mais si tu ne l’attaches pas, il ira n’importe où, il se perdra…»
Et mon ami eut un nouvel éclat de rire :
–Mais où veux-tu qu’il aille !
–N’importe où. Droit devant lui…
Alors le petit prince remarqua gravement :
Ça ne fait rien, c’est tellement petit, chez moi !
Et, avec un peu de mélancolie, peut-être, il ajouta :
–Droit devant soi on ne peut pas aller bien loin…
こちらも、黄色くハイライトされた部分が省略されています。
王子の発言をテンポよくするため、説明的な文章が省略されているのです。
注意点はありますが、しかし、そのかわり、オーディオドラマとしての完成度が非常に高くなっており、心地よい音源として、何度も聴くのに適しています。
音源としての完成度が本当に素晴らしい
この作品最大の魅力は、
キャラクターが原作のイメージ通りかそれ以上に活き活きとしていること。
主人公である語り手
低く落ち着いたダンディな声。
人生の哀愁を漂わせながら、
王子への深い敬愛が感じられます。
王子
可愛らしい。
でも、
どこか寂しさも感じさせる。
幼さと芯の強さが同居した、
まさにイメージ通りの王子です。
バラ(La fleur)
テキスト第8章・第9章で登場。
気高く、美しく、
少しわがまま。
でも、
守ってあげたくなる弱さもある。
声だけでこれほど魅力的な女性キャラクターをイメージさせるのかと驚きました。
キツネ(Le renard)
そして、
僕が最も感動したのがキツネです。
テキスト第21章に登場します。
僕は、キツネが大好きです。
初めて聴いた瞬間、
思わず
「カッコよすぎる……。」
と思いました。
飄々としているのに、
話す言葉はすべて核心を突く。
王子を導く賢者であり、
哲学者でもあります。
キツネによる、最も有名なセリフがこれです。
on ne voit bien qu’avec le cœur. L’essentiel est invisible pour les yeux.
「心でしかよく見えない、本当に大切なものは目には見えない。」という意味です。
『星の王子さま』におけるもっとも有名な文章です。
この場面をフランス語で初めて聴いたとき、
僕は本当に涙が出ました。
文字で読むのとはまったく違います。
まさにキツネとしか思えない声、
BGM、
間の取り方、
そのすべてが重なって、
言葉そのものが心に飛び込んできます。
この一場面を聴くだけでも、
このAudibleを購入する価値は十分あると思っています。
極端な話、
この一文だけ理解できれば、
途中でフランス語学習を挫折したとしても、
「フランス語に出会えてよかった」
と思えるくらいです。
BGMが作品世界をさらに引き立てる
この作品はBGMも非常に素晴らしいです。
どこか物悲しく、
それでいて温かい。
砂漠の静けさ、
夜空の星、
王子との別れ。
作品全体に流れる空気を、
音楽が見事に支えています。
単なる朗読では味わえない、
映画を観ているような没入感があります。
僕がおすすめする聴き方
Audible音源をどのように使うかは各人の自由であり、とにかく、「楽しく」「心地よく」聴くことが重要だと思います。
ただ、フランス語初心者で、どのようにフランス語音源を聴いていいかわからないという方に向け、一応、僕の聴き方を説明しておきます。
僕は以下のような聴き方で、「楽しく」「心地よく」聴くことができました。
①まず内容を知る
『星の王子さま』は、
事前にストーリーを知っておくことをおすすめします。
出来れば英語訳が望ましいですが、
日本語訳でも構いません。
ネタバレを気にする作品ではありません。
むしろ、
フランス語以外の言語で一度読んだくらいでは、この作品の本当の魅力はまったく分かりません。
何度か読んで、ようやくその魅力の一端が見えてくるというところです。
そして、サン=テグジュペリのフランス語原文の有する魅力は想像以上です。
フランス語で何度も読むことによって、その真の価値が見えてくるのです。
言っておきますが、日本語訳は、
お話にならないです。
また、英語読書を愛する者として、こんなことをいうのは心苦しいのですが、実は、英語訳も、フランス語原文がもつ魅力を伝えるという観点からすると、
ギリギリアウトです。
ですから、逆に、安心して日本語訳を読んでください。
フランス語で読む・聴く際の大きな楽しみが残されているということです。
フランス語原文を読んだ時、原文の有する圧倒的魅力と日本語訳のひどさとの落差に愕然とする、
何なら日本語に絶望すること請け合いです(笑)
②Kindle版と一緒に聴く
次に、内容を把握している前提で、音源をテキストと対照させながら聴いてみてください。
ぜひKindle版のフランス語テキストを用意してください。
初心者がいきなりフランス語を読むと、
「どう発音するの?」
となります。
そこで、
まず音源を流します。
意味は分からなくても大丈夫。
「今ここを読んでいるんだな」
ということだけ確認できれば十分です。
フランス語の音と文字が自然に結び付いていきます。
③お気に入り場面を繰り返す
Audibleには、
- ブックマーク
- クリップ
という超絶便利な機能があります(詳しい使い方は別の記事で紹介予定です)。
ぜひ活用してください。
一度音源を聴けば、いくつかお気に入りの場面ができたと思います。
僕の場合は、
- テキスト第8章における王子とバラとの出会い
- テキスト第21章における王子とキツネとの対話
に該当する箇所をクリップ化し、何度も聴きました。
僕自身、
第21章に感動しすぎて、音源を聴きすぎた結果、
気が付けばキツネの名言を暗唱できるようになっていました(笑)。
外国語は、
全部理解しようとするより、
好きな場面を何度も楽しむことの方が、
結果として上達への近道になることが少なくありません。
フランス語原文の魅力は圧倒的
最後にどうしても強調しておきたい。
『星の王子さま』は世界中で翻訳されています。
もちろん日本語訳も英語訳もあります。
それでも、
サン=テグジュペリがフランス語で紡いだ文章の美しさは、
翻訳では再現できません。
僕自身、英語読書を心から愛しており、英語訳『The Little Prince』を読みました。
しかし、それでも、この作品については、フランス語原文に触れたときの感動が別格でした。
だからこそ、
最初は意味が全部分からなくてもいい。
まずは耳から、
そして少しずつ文字へ。
フランス語という言語そのものを好きになることが、この作品最大の価値だと思っています。
『星の王子さま』フランス語原書は、僕が主催するフランス語読書会の最初の課題図書として、読書会メンバーと非常に詳しく検討しました。ぜひ、次の記事も参照してください。

まとめ フランス語学習の第一歩として、これ以上の作品はない
もし、
「フランス語を始めてみたい。」
そう思っているなら、
最初のリスニング教材として僕は迷わずこのAudible版『Le Petit Prince』をおすすめします。
約2時間という聴きやすい長さ、映画のような完成度を誇るオーディオドラマ、心に残る名言、美しいBGM、そして何よりフランス語そのものの響きの美しさ。
語学教材としてだけでなく、一つの芸術作品として何度でも楽しめる音源です。
Audibleならスマートフォン一つで、通勤時間や散歩中、就寝前など、好きな時間に何度でも繰り返し聴くことができます。お気に入りの場面をブックマークして、少しずつフランス語の音に親しんでいけば、「外国語を勉強している」という感覚よりも、「物語を楽しんでいる」という感覚の方が強くなるでしょう。
フランス語との最初の出会いがこの作品なら、きっと「もっと聴きたい」「もっと読みたい」と思えるはずです。
そして、その気持ちこそが、語学学習を長く続けるための最大の原動力になります。
ぜひAudible版『Le Petit Prince』をダウンロードし、サン=テグジュペリが描いた深く美しいフランス語の世界へ、一歩踏み出してみてください。
(フランス語読書に興味がある方はこちらも参照してください。)

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