(AIが生成したイメージ画像を使用しています。)
【この記事では、英語訳『1Q84』のBook 1, Chapter 1 にのみ言及します。】
英語とフランス語の読書が大好き、ヒデです。
2025年5月に実施されたスタイリッシュ英語読書会、英語訳『1Q84』第1回の議論を紹介していきます。
今回取り上げるのは、
Book 1
Chapter 1
Aomame
DON’T LET APPEARANCES FOOL YOU
英語訳『1Q84』の魅力が、これでもかというほど凝縮された第1章です。
まだ物語は始まったばかり。
何が起きているのか、青豆自身にもわからない。
当然、読者にもわからない。
しかし――何かがおかしい。
この「何かがおかしい」という感覚は、最初の数ページを読めば明らかです。
前回の記事では、なぜ英語訳『1Q84』をスタイリッシュ英語読書会の課題図書に選んだのか、そして、この長大な作品を英語で読む面白さについて紹介しました。

今回は、いよいよテキストそのものに入っていきます。
前回の記事でも触れましたが、僕が読書会を通じてやりたかったことは、「正解」を探すことではありません。
僕がやりたかったのは、第1章を読んだ直後、それぞれの読者の頭の中に生まれた第一印象を言葉にして共有することです。
『1Q84』のような謎に満ちた長大な作品では、最初に抱いた印象が、100ページ後、500ページ後、そして物語を読み終えたときに、まるで別の姿を見せることがあるからです。
「あのとき、自分はこう思っていたのか」
その変化まで含めて小説を楽しみたい。
そこで今回は、第1章に登場するあの奇妙なタクシーと、その運転手について、あくまで直感的な第一印象についてですが、徹底的に話し合ってみました。
Q1 青豆が乗ったタクシー――どう見ても普通ではない
Chapter 1。
青豆は首都高速道路の渋滞に巻き込まれたタクシーの後部座席にいます。
このタクシー、読み返せば読み返すほど、普通ではありません。
ヒデ:
まず皆さんにお聞きしたい。青豆が乗っているこのタクシーはどんな印象でしたか?
マイ:
私は仕事柄、深夜残業のあとなんかにタクシーを使うことがあるんですけど、こんな雰囲気のタクシーには乗ったことないですね。
コウキ:
自分は大学生なので普段タクシーを使うこと自体ほとんどないですけど、それでも「かなり特殊だな」と感じました。
ヒデ:
そうですよね。僕も最初から明らかに普通じゃないと感じました。
それでは、その「普通じゃなさ」は、いったいどこから来るんでしょう?
物語の第1文の音楽から、すでに何かがおかしい
ヒナ:
まず――音楽がおかしいです。
英語訳『1Q84』は、こんな一文から始まります。
The taxi’s radio was tuned to a classical FM broadcast. Janáček’s Sinfonietta—probably not the ideal music to hear in a taxi caught in traffic.
流れているのは、チェコの作曲家レオシュ・ヤナーチェクの《シンフォニエッタ》。
ヒデはよく「小説の第1文は特別だ」と言っています。
私もそう思っています。
作者村上は、40万語にも及ぶ長大な物語の入口として、あえてこの文章を選んだのです。
『1Q84』の場合、その入口である第一文から想起されるのが、渋滞した首都高速、タクシー、そしてこのクラシック音楽なのです。
ヤナーチェク《シンフォニエッタ》を実際に聴いてみる
ヒナ:これはぜひ、読書をいったん止めて実際に聴いてみてください。
YouTube上にもさまざまな演奏があります。
ヤナーチェク《シンフォニエッタ》
ヒデ:
僕もYouTubeでいくつかのオーケストラの演奏を聴いてみました。
ただ、クラシックに詳しいわけではないので、指揮者やオーケストラごとの違いを語れと言われても、そこは全然わかりません(笑)。
でも、あの冒頭はすごい。
すごい数の金管楽器が次々と重なって、ものすごく勇ましい。
「これから何かが始まるぞ」と無理やり扉を開けられるような感じがするんですよ。
ヒナ:
そうなんです。
この第1文を読んだあと、実際の《シンフォニエッタ》を頭の中で鳴らしながら読み進めると、普通の渋滞の場面なのに、明らかに異常な雰囲気が出てきます。
何かの始まりを告げるファンファーレみたいです。
音響が良すぎる
そして青豆は、タクシーの音響についても違和感を覚えます。
Just then it occurred to her that the sound quality was too good for a radio in a taxicab.
ヒナ:
ここも気になります。
「タクシーにしては音が良すぎる」。
それだけのことなのに、車内が日常からは明らかに隔絶された、何か別世界への入口みたいに感じられるんですよね。
マイ:
仮に高級感を売りにしている個人タクシーだったとしても、そこでこの曲を流しているのは変だよね。
普通なら乗客をリラックスさせようとするでしょう?
これだと全然リラックスできない(笑)。
ヒデ:
むしろ「さあ、これから何かが起きますよ」と煽ってくる。
タクシーに乗ったつもりが、オーケストラのファンファーレ付きで物語の入口に運ばれていく。
1ページ目から村上ワールド全開ですね。
タクシーの状況がおかしい―「普通」と「異常」が同時に存在する
さらにタクシーを観察すると、不思議な点があります。
タク:
僕はここが気になりました。
It had a standard taxi meter, which was ticking off the proper fare: 2,150 yen so far. Still, the registration card showing the driver’s name was nowhere to be found.
料金メーターは普通なんです。
ちゃんと料金を刻んでいる。
ところが、運転手の名前を示すカードが見当たらない。
そこが妙に不気味でした。
マイ:
普通なら後部座席の乗客から確認できるところに、運転者の情報が表示されているよね。
1984年当時でも、そこは乗客が確認できるようになっていたはず。
ヒデ:
ここが面白いですよね。
料金メーターは正常。
車も目的地に向かって首都高速道路を走っている。
会話も成立している。
つまり、外見上は「普通のタクシー」として成立している。
なのに、細部を見ると少しずつおかしい。
コウキ:
完全に異世界の車だったら、逆にわかりやすいんですけどね。
ヒデ:
たとえば、空飛ぶタクシーだったら一発でファンタジーなんですが(それでは村上ワールドの雰囲気が台無しですね)。
でもそうじゃない。
ほとんど普通なのに、ほんの少しだけ普通ではない。
その微妙なズレが、乗客である青豆のみならず読者の不安感をあおる。
そして、この「ほとんど同じなのに、どこかが違う」という感覚こそ、第1章を覆っている重要な空気なのではないでしょうか。
Q2 タクシードライバーは何者なのか?
ヒデ:
では、青豆を乗せているタクシードライバー自身はどうでしょう。
彼は単なるベテランドライバーなのでしょうか。
それとも――。
コウキ:
自分は、熟練しているけれど、基本的には普通のタクシードライバーという第一印象でした。
たとえば、僕が印象に残ったのはこの言葉です。
If you really want to know what’s happening here and now, you’ve got to use your own eyes and your own judgment.
道路状況を熟知しているベテランドライバーだからこそ出てくる言葉だと思いました。
タク:
僕は逆でした。
同じ場面から、むしろ「この人は普通じゃない」と感じました。
コウキ君が挙げた発言の前に、青豆は、なぜ運転手が交通情報を聞いていないのか疑問に思っていますよね。
She wondered why the driver was not listening to traffic reports. The expressway had been brought to a standstill. He should be listening to updates on the taxi drivers’ special radio station.
高速道路が完全に止まっている。
普通なら情報を集めるはずなのに、この運転手はそれをしない。
なのに状況を極めて正確に把握している。
ヒデ:
なるほど。
コウキ君は「経験豊富だからわかる」。
タク君は「経験だけでは説明できない何かを知っている」。
同じ描写から真逆の人物像が出てくる。
これぞ読書会の面白さですね。
Something extreme
ヒナ:
そして決定的なのが、青豆が約束の時間に間に合う方法について運転手が語る場面です。
第1章を読んだ人なら、ここは絶対に記憶に残っていますよね。
“Well, in fact, there might be a way. You could take the subway to Shibuya from here, but you’d have to do something a little … extreme.”
“Something extreme?”
“It’s not something I can openly advise you to do.”
方法はある。
ただし――“It’s not something I can openly advise you to do.”
タク:
普通のタクシードライバーは、こんなアドバイス、絶対に、しないですよ(笑)。
だって危ないじゃないですか!
ヒデ:
まあ、普通はしないでしょうね。
むしろ職業倫理的には「絶対やめてください」と言う側でしょう。
コウキ:
でも僕は、やっぱり高速道路を知り尽くしている人だからこそ思いつく方法、という読み方ができると思いました。
ヒデ:
なるほど。それも非常に面白い読み方です。
そうするとコウキ君の世界では、まだ現実なんですね。
コウキ:
そうですね。少なくともこの段階では。
タク:
僕はもう、タクシードライバーは完全に異世界への案内人に見えました。
「ここから先へ行く方法はある。ただし普通の方法では行けない」と言っているわけですよね。
異世界へのゲートキーパーみたいです。
ヒナ:
私もそちらに近いです。
ただ、「悪い存在」なのかはまだわからない。
むしろ、青豆に選択肢を与えているようにも見えます。
ヒデ:
なるほど。
扉を開ける。
でも、入れとは命令しない。
最後に決めるのは青豆自身。
そう考えると、かなり面白いですね。
「タクシードライバー=村上春樹」説
マイ:
この点について、私とヒナの共通の知人とも話したんだけど、
このタクシードライバーって、村上春樹本人なんじゃない?
という話になったんです。
ヒナ:
私もその意見、すごく面白いと思いました。
ヒデ:
なるほど!
それは面白い。
作者本人だと考えるわけですね。
マイ:
もちろん文字どおり本人という意味じゃなくて、作者的な存在。
これから青豆が入っていく物語の構造を、彼だけは知っている。
だから、普通の登場人物とは少し違う位置から話しているように感じる。
タク:
それなら交通情報を聞く必要もないですね。
作者なんだから全部知っている(笑)。
コウキ:
それは反則じゃないですか(笑)。
ヒデ:
でも、メタフィクション的な読みとしては面白いですね。
タクシードライバーを、
作者側に立っている存在、いわば神的存在
と考える。
そうすると、彼の発言が一つ一つ違って聞こえてきます。
タクシードライバーの捉え方には3つの方向性がある
ヒデ:
ここまでの議論を整理すると、第1章のタクシードライバーについて、大きく3つの読み方が出てきました。
① 熟練した、ごく普通のタクシードライバー
高速道路を知り尽くしているからこそ、青豆に特殊なルートを教えることができる。
② 異世界への案内人・門番
青豆が日常とは異なる世界へ移動するための「ゲート」を開く存在。
③ 神・創造主・作者に近い存在
物語の外側まで知っているかのような、メタ的な立場から青豆に言葉を投げかける存在。
どれが正解なのか。
この段階では、そんなことはわかりません。
そして、わからなくていい。
むしろ、「自分は今、この人物をどう見ているのか」を覚えておくことに意味があります。
その印象を持ったまま、この先を読んでいきましょう。
Q3 “There’s always only one reality.”
ヒデ:
そして、Chapter 1最大の謎。
青豆が首都高速道路上でタクシーを降りようとする、どう考えても日常的とは言い難い状況で、運転手は彼女にこう告げます。
“But don’t let appearances fool you. There’s always only one reality.”
Chapter 1 のタイトル、
DON’T LET APPEARANCES FOOL YOU
とも直接つながる言葉です。
さて。
この男は、いったい何を言っているのでしょうか。
ただの一般的な人生訓なのか?
コウキ:
僕は、タクシードライバーを熟練ではあるけれど普通のタクシードライバーととらえていました。だから、この警句についても、この時点では一般的なアドバイスだと思いました。
見た目だけで物事を判断するな。
自分の目で確かめろ。
そういう人生訓みたいなものですね。
だから青豆に対して敵意も善意もない。
中立的な発言です。
ヒデ:
なるほど。
「人生経験豊富な運転手が、若い乗客にちょっと意味深なことを言った」
とでも言うべき状況でしょうか。
コウキ:
はい。
少なくとも第1章だけなら、それでも十分説明できると思います。
青豆を「向こう側」に送り込むための言葉なのか?
タク:
僕はもっと不吉に感じました。
僕の中では、もうこの運転手は「異世界への案内人」なんです。
その人が青豆を特殊なルートへ送り出す直前に、
“There’s always only one reality.”
と言う。
怪しい(笑)。
ヒデ:
「現実は一つしかない」とわざわざ言われると、「いや、二つあるんじゃないの?」って思いますよね。
タク:
そうなんです。
言う必要のないことを言っている。
だから、青豆を何らかの不吉な状況へ誘導するための言葉のように聞こえました。
それとも、青豆を心配しているのか?
ヒナ:
私はタク君と同じく、このドライバーは異世界への案内人だと思っていました。
でも、この言葉については逆で、青豆を心配しているように感じました。
ヒデ:
おお。
そこが分かれるんですね。
ヒナ:
はい。
何か危険な場所へ行くことを、この人は知っている。
だから止めることはできないけれど、最低限の警告だけしている。
そんな感じです。
むしろこの人自身も、以前に同じような「何か」を経験したことがあるんじゃないか、とすら思いました。
タク:
僕とヒナさん、ドライバーを「異世界側の存在」と考えるところまでは同じなのに、善悪が逆ですね。
ヒデ:
面白いですね。
まったく同じテキストを読んでいるのに、
「罠にかけている」
と読む人と、
「助けようとしている」
と読む人がいる。
その言葉は、青豆ではなく「僕たち」一般読者に向けられている?
マイ:
私はさっきの「作者的存在」という読み方を続けたいです。
もしタクシードライバーが作者に近い存在だとすると、この言葉って、青豆だけに言っているんじゃない気がする。
ヒデ:
というと?
マイ:
青豆を通り越して、
小説を読んでいる私たちに言っている。
「これからあなたたちが目にするものを、そのまま信じてはいけませんよ」
みたいな。
ヒデ:
なるほど。
これは非常に面白い。
Chapter 1の登場人物のセリフであると同時に、『1Q84』という巨大な物語に足を踏み入れようとしている読者への警告でもある。
そう考えると、Chapter 1のタイトルまで違って見えてきますね。
タク:
しかもタイトル自体が “DON’T LET APPEARANCES FOOL YOU” ですからね。
ヒナ:
読者に対して直接命令しているようにも見えます。
コウキ:
……でも僕はまだ普通のタクシードライバー説でいきます(笑)。
ヒデ:
いいですね(笑)。
その立場をぜひ守ってください。
そして読み進めていくうちにどうなっているのか確認しましょう。
「正解」を求めないから、『1Q84』が圧倒的に面白くなる
ここまでの議論を整理してみます。
まず、タクシードライバーは青豆にとって、
- Ⅰ 味方なのか
- Ⅱ 敵なのか
- Ⅲ 中立なのか
そして、
There’s always only one reality.
という警句は、
- A 青豆を思いやっているのか
- B 青豆を陥れようとしているのか
- C 中立的な人生訓なのか
さらに第四の可能性として、
- D そもそも青豆ではなく、読者に向けられた言葉なのか。
いくつものベクトルが考えられます。
もちろん、第1章しか読んでいない段階で決着をつける必要はありません。
むしろ、ここで重要なのは決着をつけないことだと思います。
自分なりの仮説を一つ持っておく。
そして読み進める。
「あれ? 思っていたのと違うぞ」
「やっぱり最初の印象で合っていた」
「いや、この言葉、最初に読んだときとは全然違う意味に見える」
長編小説には、そういう楽しみがあります。
特に『1Q84』のような巨大な物語では、序盤に何気なく置かれた言葉が、読み進めるにつれて別の重みを帯びてくる。
だからこそ、第1章で感じた違和感を、忘れずに持っていたいのです。
英語で読むからこそ「違和感」をそのまま味わえる
そして、今回あらためて感じたのが、『1Q84』は英語多読との相性が非常にいいということです。
英語版の翻訳はJay RubinとPhilip Gabrielが担当していますが、文章は長大な作品の分量から想像するほど難解ではありません。
むしろ、短く明瞭な文章が多く、会話も追いやすい。
今回取り上げた、
“There’s always only one reality.”
のように、単語そのものは驚くほど簡単なのに、意味を考え始めると底が見えない文章が随所に現れます。
これこそ、僕が英語読書で味わいたい面白さです。
知らない単語をひたすら辞書で調べて終わるのではなく、
「この簡単な英文、いったい何を意味しているんだ?」
と立ち止まる。
英語を「勉強する」のではなく、英語で小説について考える。
英語訳『1Q84』は、そんな読書へ入っていくための格好の作品だと思います。
まとめ――あなたなら、このタクシーに乗りますか?
まだBook 1, Chapter 1。
物語はほとんど動いていません。
青豆がタクシーに乗っている。
首都高速道路が渋滞している。
ヤナーチェクの《シンフォニエッタ》が流れている。
奇妙な運転手がいる。
それだけです。
なのに、話し始めると止まらない。
このタクシーは普通なのか。
運転手は何者なのか。
なぜ彼は青豆にあんな方法を教えたのか。
“There’s always only one reality.”とは何を意味するのか。
そして何より――
青豆は、これからどこへ行くのか。
僕は今回の読書会を通じて、『1Q84』の第1章がいかに巧妙に作られているのかを再確認しました。
何かを大々的に説明するわけではない。
派手な事件を起こすわけでもない。
ただ、日常の風景をほんの数ミリだけずらす。
その小さなズレが積み重なって、気がつけば読者自身が「こちら側」と「あちら側」の境界に立たされている。
そしてヤナーチェクの金管楽器が、背後から鳴り響く。
もう、先へ進むしかありません。
これから『1Q84』を読もうと思っている方には、ぜひ英語訳『1Q84』Kindle版で、この奇妙な世界への入口を開いてみてほしいと思います。
最初から40万語を超える巨大な小説を「全部読破しよう」と身構える必要はありません。
まずはChapter 1。
タクシーの後部座席に座ってください。
英文を読み、《シンフォニエッタ》を聴き、運転手の言葉に耳を傾ける。
そして、
「この男、何者なんだ?」
と思ったなら――もう『1Q84』の世界から抜けられなくなっています。
Kindleなら、わからない単語をその場で確認しながら、そのまま次のページへ進めます。
英語多読で大切なのは、「難しい本を攻略すること」ではありません。
先が知りたくて、ページをめくること。
英語訳『1Q84』には、その力があります。
Chapter 1を読み終えたとき、あなたはまだ現実の1984年の東京にいるのでしょうか。
それとも――。
次回テーマ設定―青豆という女性の第一印象は
Book 1では、第1章から始まる奇数章が青豆、第2章から始まる偶数章が天吾の視点で進んでいきます。
僕は、精緻なキャラクター造形こそ村上作品の大きな魅力の一つだと考えています。
そして『1Q84』では、青豆と天吾という二人の人物が、驚くほど細かく作り込まれていきます。
小説を読む最大の楽しみの一つは、魅力的なキャラクターと出会い、その人物を深く知っていくこと。
この人は何を考えているのか。
何を恐れているのか。
何を信じているのか。
そして、この人物をかたちづくっているものは何か。
それぞれの読者が抱いた青豆像を持ち寄れば、一人で読んでいるときには見えなかった青豆の実態が見えてくるかもしれません。
そこで次回の読書会では、
Book1
Chapter 9
Aomame
NEW SCENERY, NEW RULES
までを踏まえて、二つのテーマを設定しました。
Q4 青豆の「プロフェッショナル」としての能力
Book 1, Chapter 9 まで読み進めると、青豆が非常に特殊な技術と鍛錬を必要とする能力を、プロフェッショナルとして身につけていることがわかってきます。
青豆の特殊な能力を表現する描写の中から、最も印象に残った英文を一つ選び、なぜその文章が印象に残ったのかを考える。
青豆とは、いったいどんな女性なのか。
その輪郭を、英語のテキストそのものから探っていきます。
Q5 青豆が感じ始めた「世界の違和感」
そしてもう一つ。
Chapter 9 までの青豆は、自分を取り巻く世界に、少しずつ違和感を覚えていきます。
そこで、
青豆が世界の違和感を認識していることが伝わる英文の中から、最も印象に残ったものを一つ選び、その理由を考える。
青豆自身の感情でも、ナレーションでも構いません。
首都高速道路を降りた青豆が目にする「現実」とは、いったい何なのでしょうか。
次回、青豆という女性と、彼女が足を踏み入れた世界をさらに深く掘り下げていきます。
(英語多読・多聴素材としての英語訳『1Q84』についてはこちらもご参照ください。)


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