クミコ女史の読書録2『Fairy Tale』 by Stephen King (邦題『フェアリー・テイル』)【ネタバレなし】

レビュー

(AIが生成したイメージ画像を使用しています。)

極上のエンターテイメント英語多読で日々の生活に彩を

英語とフランス語の読書が大好き、ヒデです。

前回の記事では、クミコ女史おすすめのミステリー小説 『A Good Girl’s Guide to Murder』 を紹介しました(僕もクミコ女史に紹介いただいた後、すぐにKindleで購入し、楽しく読ませていただきました)。

クミコ女史の読書録1 “A Good Girl’s Guide to Murder by  Holly Jackson”(邦題「自由研究には向かない殺人」)【ネタバレなし】 
クミコ女史による、A Good Girl's Guide to Murder by Holly Jackson(邦題「自由研究には向かない殺人」、ホリー・ジャクソン)のネタバレなしレヴュー。英語多読の1冊としておすすめの理由。

今回は、ジャンルがガラリとわります。

紹介するのは、現代アメリカ文学を代表する作家、スティーブン・キングが74歳にして発表した大作、

『Fairy Tale』

です。

「キングって本来はホラー作家でしょう?ファンタジー的な作品が面白いの?」

「高齢になって発表した作品に、かつての輝きはあるの?」

そう思った方にこそ読んでほしい一冊。

スティーブン・キング円熟の筆致がさえわたる名作で、

これを英語多読の素材とすれば、その面白さによって、英語読解力が劇的に向上すること請け合いです。

今回も、静岡市在住のヒデとコウキがインタビュアーとなり、

全国的にみても圧倒的な読書量を誇る、稀有な洋書読書家・クミコ女史に、その魅力をたっぷり語っていただきます。

2026年6月、静岡県静岡市某所にて実施されたインタビューの内容を紹介していきます。

クミコ女史の読書録は、

静岡市から日本全国へ、

どこに出しても間違いのない、

圧倒的に楽しい英語多読を実現する、

読書リストです。

スティーブン・キングという作家

ヒデ:

スティーブン・キングといえば、言わずと知れた、ホラー小説の帝王で、僕も、英語多読初期に、『シャイニング』や『IT』などの英語原書を多数読みました。

他にも、ミステリーやサスペンス作品が多数あると聞いています。

クミコ女史:

もちろん、キングは、多数の名作ホラーを書いた人として、有名ですが、彼の実力が発揮されているのは、それだけではありません。

『ショーシャンクの空に』や『スタンドバイミー』に代表されるように、実は、人間ドラマを書かせても世界最高峰の作家だと思います

コウキ:

映画で有名な作品も多いですよね。

  • 『The Shawshank Redemption(ショーシャンクの空に)』
  • 『Stand by Me』
  • 『The Green Mile』

も、実は、キング作品ですよね。

クミコ女史:

そうなんです。ホラーだけで世界的作家になったわけじゃない。

『人の生き様』を書くのが本当に上手な作家なのだと思います。

74歳で書き上げた大作

ヒデ:

『Fairy Tale』は2022年発表でしたね。

クミコ女史:

そう。

キングは1947年9月21日生まれだから、この作品を書いた時は、なんと74歳だったのです。

コウキ:

74歳で15万語を超える大作?

クミコ女史

そう。

しかも衰えを全く感じない。

むしろ物語を組み立てる力はさらに円熟している印象でした。

ヒデ:

長年第一線で活躍し続けながら、老境に差し掛かってなお、新しい代表作を書いてしまう。

本当にすごい作家ですね。

あまりにも面白くて止まらない

ヒデ:

実際どうでした?

クミコ女史:

ものすごく面白かったです。

気が付いたら読み終わっていたという感覚です。

コウキ:

ペーパーバックは500ページ以上ありますよね。

クミコ女史:

そうなんです。しかもサイズが結構大きい。

それでいて中の字が結構小さい。

最初はこんなに分厚くて、字が小さいの読めるのかと思ったけれど、読み始めたらフォントの大きさやページ数なんて気にならなかった。

あっという間に読み終わってしまいました。

ヒデ:

英語の多読素材として理想的ですね。

英語多読を通じて、英語の本を読めるようになるのって、”語数”より”面白さ”ですから。

面白い作品で、15万語読める。

内容のない薄っぺらな図書で150万語の英語多読をするよりも、圧倒的に充実した読書体験になりそうですね。

コウキ:

本当の意味で英語の力が伸びるのは、むしろ、こういう面白い本を読んだときだと思います。

クミコさんがそこまでおっしゃるのであれば、英語力を伸ばすという意味でも間違いなさそうですね。

物語は一匹の犬から始まる

【※ここから先もネタバレはありません。】

ヒデ:

ネタバレしないように、どういう小説なのか、概要を教えてください。

クミコ女史:

物語冒頭の舞台は現代アメリカ。

主人公はチャーリー。1996年生まれの男の子。

物語は、チャーリーの一人称視点で進んでいきます。

幼くして、母を交通事故で亡くし、飲んだくれの父の失業など、つらい経験をしていました。

時は、2013年4月。

チャーリーは17歳。

近所にある、Psycho House と呼ばれる不気味な屋敷。

そこに住む老人、Mr Bowditch。

ある日、チャーリーは、Mr Bowditch の飼い犬、大型犬(ジャーマン・シェパード)のRaderが激しく吠えているのを聞きます。

そこでMr Bowditch が梯子から落ちて大怪我をしている場面に遭遇する。

そこからすべてが始まります。

謎の老人。

異様に賢い犬。

誰も入ったことのない納屋。

地下から聞こえる得体の知れない音。

読者は自然と、『この先に何があるんだろう』とページをめくり続けてしまう。

Fairy Taleというタイトルの意味

ヒデ:

タイトルからすると、おとぎ話、ファンタジーを連想するのですが、当初の設定は比較的現代小説風なのですね。

クミコ女史

はい。

この作品のジャンルはファンタジーといえます。

しかし、ファンタジー的な展開に至る前に、登場人物たちの現実世界における生活や感情がしっかりと描きこまれているのがスティーブン・キングらしいと言えます。

ヒデ:

おとぎ話の要素はあるのでしょうか。

クミコ:

おとぎ話も重要な要素になっています。

世界中のおとぎ話や神話を知っていると、『なるほど』と思う場面がたくさん出てきます。

しかし、この作品は子ども向けの単純なおとぎ話ではありません。

キングは昔話の構造を現代小説として見事に再構築している。

だから、この作品はファンタジーなのに、妙に現実味があると思います。

英語は読みやすい?

英語の難易度は?

コウキ:

キングって難しい英語じゃないですか?

クミコ女史:

皆さんが思っているより、ずっと読みやすい英語だと思います。

ヒデさん、コウキ君が普段読んでいるような難解な文学作品的な文章ではありません(笑)。

語り手の主人公が17歳だから文章も非常に自然に感じます。

もちろん15万語あるから読書体力は必要でしょう。

でも英文が難しいわけではない。

それに、何より、ストーリーが面白いから、ストーリーに引っ張られて読んでしまう。

心に残る英語表現がたくさんある

ヒデ:

キングは英語表現、英語の使い方が本当にうまいですよね。

クミコ女史:

そうなんです。

『そんな言い方があったのか』と思う自然な英語表現がたくさん出てくる。

会話表現も、生きた英語そのもの。

明日からの英会話で使ってみたいと思う表現が目白押しです。

ヒデ:

英語学習者としては、思わずメモしたくなる、

“こういう言い回しを使ってみたい”

と思える表現が次々出てくるんですよね。

クミコ女史:

それだけじゃないんです。

人生について考えさせられる文章も本当に多い。

時代も国も違うのに、人間が大切にするものは同じなんだなあと感じさせる文章が多数あります。

まとめ

クミコ女史:

『Fairy Tale』は、ホラー小説ではありません。

もちろんキングらしい緊張感や不気味さはあります。

しかし読み終えたときに心に残るのは、「恐怖」よりも、「勇気」「優しさ」「希望」です。

500ページを超える大作にもかかわらず、「もっと読んでいたい」と感じさせる作品はそう多くありません。

英語も比較的平易で、ストーリーが圧倒的に面白いので、英語多読にも非常に向いています。

コウキ:

「長い洋書は最後まで読める気がしない。」

そんな人ほど、この作品を手に取ってみていただきたいですね。

自分も、英語多読を始めたばかりの頃、薄い本ばかり読んでいたときに、ヒデさんから、10万語を超える『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』英語原書を読むようにすすめられ、

(実は、ほとんど強制的に読まされました。その経緯は下の記事に詳しいです)

英語読書ができるようになるまで―実践編(『アズカバンの囚人』英語原書を通じて)
英語読書で、「読みたい」英語の本の読書を「楽しむ」こと、そのために「本と対話する」こと。これらが全く難しいことではなく、読書好きであれば今すぐ実現できることをヒデの読書仲間との経験をもとに実践編として紹介。

その後、あっという間に、本当の意味で、英語の読書ができるようになったと思います。

この本を手に取った皆様も、気が付けば15万語を読み終え、自分でも驚くほど英語を読む体力が身についていることを実感するはずです。

ヒデ:

英語学習のためにつまらない参考書や簡易版を読むのはもう止めましょう。

「面白いから読み続ける」。

その結果として英語力がついてくる。

そんな理想的な一冊が、この『Fairy Tale』です。

Kindle版なら、今すぐ読めて、なんと、お値段1076円!(2026年6月29日時点)。

わからない単語をその場で辞書検索でき、スマートフォンやタブレットでも気軽に読み進められます。

(フォントの大きさを自由に変えることができるので、クミコ女史のように小さい字が気になるということもありません……。また、Kindle Paper Whiteなどの端末を使えば、目も疲れません……。)

「今日は10ページだけ」のつもりが、「あと1章だけ」とページをめくる手が止まらなくなり、いつしか英語を読んでいることを忘れる――。

そんな読書体験を味わいたい方には、自信を持っておすすめできる一冊です。

クミコ女史の読書録3 “The Thursday Murder Club” by Richard Osman(リチャード・オスマン『木曜殺人クラブ』)【ネタバレなし】
リチャード・オスマンの『木曜殺人クラブ』英語原書をネタバレなしで紹介。全国的にみても稀有な英語読書家(純ジャパ)クミコ女史がおススメする、極上のエンターテイメント小説洋書の紹介記事第3弾。静岡市在住のヒデとコウキによるインタビューを通じて、静岡県静岡市から日本全国へ、真の英語多読といえる図書を紹介。
英語読書が出来るようになるまで―マインド編
多数の洋書読書会を主宰するヒデによる、英語読書ができるようになる方法の紹介。英単語の暗記や文法学習はさっさと止めて、楽しく好奇心を満たしてくれる洋書の世界に、今すぐ飛び込むべきであることを紹介。
英語読書ができるようになるまで―メソッド編
英語読書ができるようになるには「読みたい」本を、「楽しく」読むことが重要だが、その方法論。英語読書もあくまで読書であり、本との対話を楽しむべき。わからない音は音源を聴き、楽しいと思う部分だけを調べて読み進める。すでに内容を把握している本であれば楽しく読み進められるはず。

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